『モノノメ #2』はこんな雑誌です

改めて問います。いまの報道は、批評は、おもしろいでしょうか? それは果たして、考える場として機能しているでしょうか?  僕にはそうは思えません。いま、情報ネットワークにあふれかえるほとんどの言葉は、ある問題があったときにその問題を解くための知恵を出すこともなければ、問題そのものの問い直すこともありません。ほとんどの言葉は既に「世間(僕が一番嫌いな言葉です)」で話題になっている問題に、どう答えるとある層を動員(課金)させることができるかという大喜利的なゲームのプレイになってしまっています。そして、そこには何も建設的なものは存在しません。

だから僕たちは2020年に「遅いインターネット」という運動をはじめました。これはプラットフォームの提供する「速度」に抗って、SNSの相互評価ゲームの外側で時にはゆっくり事物を考えることを提案する運動です。

そしてその延長に2021年の秋、僕たちは新しい雑誌「モノノメ」を創刊しました。コンセプトは「検索では届かない」。タイムラインの潮目を読むことに背を向けて、地に足のついた仕事をしている人だけに参加してもらう。失敗した人々に石を投げて読者を接待するような誌面や、既に支配的な話題を後追いして換金するような誌面にはしない。「遅いインターネット」計画から続く、アテンションエコノミーに抗いゆっくり思考する場をつくる。そのために、インターネットでの直接販売と、主旨を理解してくれる施設でのみ取り扱うことにして、初版5,000部をほんとうに届けたい人5,000人にしっかりと届ける。ただ売って終わりにせず、そのあとは読者と一緒に考え続ける……そんな雑誌を目指しました。

そして、このプロジェクトで大事なのは「続けること」です。新しい方法を試行錯誤しながら、こうやっていけばインディペンデントな、長いものに巻かれない「発信」を一定のクオリティを保ちながら続けていける……そんな成功例を小さくてもいいから、長く続くかたちで遺したい。僕はそう考えています。

この第2号も、創刊号に引けを取らない、いや、それ以上の情熱を注ぎ込んでいます。必ず、納得の行くものに、期待に応えられるものに仕上げます。到着を楽しみにお待ちください。

【執筆者一覧(五十音順)】
芦埜佑亮/飯田将茂/井上岳一/牛場潤一/上田唯人/宇野常寛/遠藤謙/緒方壽人/沖本ゆか/落合陽一/乙武洋匡/笠原俊一/久保田寛子/鞍田愛希子/鞍田崇/高坂友理恵/上妻世海/近藤那央/佐渡島庸平/消極性研究会(栗原一貴・西田健志・簗瀬洋平・渡邊恵太)/高山都/田口友子/田中みゆき/辻音里/苫野一徳/濱口竜介/福嶋亮大/藤井修平/藤嶋陽子/丸若裕俊/最上和子/吉田尚記

『モノノメ #2』を手に入れるには

本誌はほんとうに届けたい人にしっかりと届けることを目指しているため、Amazonや(ほとんどの)大手書店チェーンでは取り扱いがありません。

現在、PLANETSが運営する公式オンラインストアや全国の書店などで販売しています。

公式オンラインストアでは、「『モノノメ #2』が100倍おもしろくなる全ページ解説集」、対談集『宇野常寛と四人の大賢者』などの特典つき商品や、創刊号とのお得なセットがあります。合わせてお楽しみください。

『モノノメ #2』取扱書店について

『モノノメ#2』は、興味をもってくださった全国の書店・カフェや、個人経営のお店などでも販売しています。現在のお取扱い店舗は下記の通りです。
取引条件・ご注文などの詳細はこちらから。

オンラインストア
タワーレコード

北海道
シアターキノ(札幌市)

東北
アンカーコーヒー マザーポート店(宮城県)◎
アンカーコーヒー 内湾店(宮城県)◎

関東
あゆみBooks平和台店(東京都)
タワーレコード 渋谷店(東京都)
タワーレコード オンラインストア(東京都)
青山ブックセンター本店(東京都)
※対談集とのセットがあります
三省堂書店有楽町店(東京都)
・ブックファースト(新宿店ほか)
Cafe Lounge & Library pratimākrrm cĥā -ゆるやかな彫刻-(東京都)◎
BREWBOOKS(東京都)
芳林堂書店高田馬場店(東京都)
本屋B&B(東京都)
ムジナの庭(アトリエミショー)オンラインショップ (東京都)
※宇野常寛 書き下ろし解説集や、対談集とのセットも販売しています。
湘南 蔦屋書店(神奈川県)
真鶴出版(神奈川県)

中部
天清酒万寿店(福井県)NEW
本と、珈琲と、ときどきバイク( 静岡県)
栞日(長野県)
ンと日用品の店 わざわざ(長野県)
新駒書店(長野県)

関西
株式会社自由港書店(兵庫県)NEW
CAVA BOOKS(出町座)(京都府)
京都岡崎 蔦屋書店(京都府)
誠光社(京都府)
ホホホ座浄土寺店(京都府)
Naramachi BookSpace ふうせんかずら(奈良県)◎
奈良 蔦屋書店(奈良県)
WHEELACTION BOOKSTORE(和歌山県)

九州
とらきつね(福岡県)
BOOKSライデン(長崎県)

◎=「遅いインターネット&モノノメ #2」ステッカー付

各店舗の所在地はこちらのマップをご参照ください。
最新の販売状況は、それぞれのお店にお問い合わせください。

書店以外にも、飲食店やコワーキングスペースでのご注文も承っております。お気軽にコンタクトフォームからお問い合わせください。

目次

[紀行文]観光しない京都2022
世界有数の観光都市である「京都」。でも、20代のころに7年間この街に暮らして、そしていまでも仕事でよく訪れる僕(宇野)はこう思います。「〈観光しない〉ほうが京都は楽しい」と。他の街からやってきて、そこに暮らした人間の目から見た京都という街の日常の魅力を、暮らすような旅の提案としてまとめました。

【特集】「身体」の現在

[座談会]身体論の現在──ケアと拡張身体のあいだで|牛場潤一×緒方壽人×笠原俊一×田中みゆき

近代的な五体満足主義から多様な身体の擁護へ──現代の身体はケアの現場を通じて、あるいは工学的な身体拡張を通じて、その多様性を確保しようとしています。そして、この多様に変化し得る身体を基準に社会を眺めたときに突き当たる問題たちについて、それぞれの現場から知恵を持ち寄って考えてみました。

[鼎談]思想としての義肢──OTOTAKE PROJECTの豊かな副産物について|遠藤謙×落合陽一×乙武洋匡

「乙武洋匡を歩かせたい」──落合陽一、遠藤謙などが結集してはじまった「OTOTAKE PROJECT」は、単に一人の「五体不満足」な人間を歩かせるという実験を超えて、その過程でたくさんの知見を産み落としています。工学的なアプローチではじめてケアできる「固有の障害」の発見、介助する/されるという関係性が産み落とす「二人で一つの疑似身体」のような体験、そして「かわいい」という基準で身体を見ることの豊かさ……。これは「歩く」という体験の再発見を通した、三人のクリエイターの創発の回顧録です。

[論考]藤井修平|マインドフルネスの身体技法はいかに受容されてきたか──仏教と心理学の関わりの歴史から考える

[論考]藤嶋陽子|凡庸な服は、いかに捉え得るか? ––私的な身体技法をめぐる試論的考察

[インタビュー]上妻世海|制作する身体をめぐって──運と誘惑と戯れながら

[対談]「もうひとつの眼」と「もうひとつの身体」はどう出会ったか|飯田将茂×最上和子

[座談会]消極的な人よ、身体を解放せよ──いや、そもそも身体なんていらない?|消極性研究会

[特別企画]47都道府県再編計画──日本列島(再)改造試論|井上岳一×宇野常寛×田口友子

「いま、暮らしているこの街は○○県にあるのだけれど、実は職場も買い物に行く街も隣の県にある」「同じ県だけれど山脈を挟んだ沿岸部は別の国だと思っている」とか、そういうことって意外とありませんか?

そんな素朴な疑問から「モノノメ」は「47都道府県再編計画」を提案します。市町村よりも大きくて、国よりも小さい。都道府県という「中くらいの」ものをより生活の実情や歴史や文化に即したものにしてみよう……そんなシミュレーションを通じて、この国の「地方」をもっと豊かな空間にしていく提案を試みます。

[ルポルタージュ]「ムジナの庭」では何が起きているのか

東京・小金井にある就労支援施設「ムジナの庭」。ここでは植物に触れること、手仕事をすること、人と触れ合い感情を表現することをつなげた心身のケアのプログラムが実践されています。このユニークな試みが行われる場所に編集部が実際に足を運び、一緒に手を動かしながら、主宰の鞍田愛希子さんと、パートナーの哲学者・鞍田崇さんにじっくり話をうかがいました。

【妄想企画】水曜日は働かない

「水曜日は働かない」──突然ですが、僕(宇野)は世界にそう提案したいと考えています。週の真ん中、水曜日が休みになると1年365日がすべて休日に隣接する……!  この宇宙の真実に人類はもっと気づくべきだ。そう考えた僕はあらゆる手段を用いて、「水曜日は働かない」ことのメリットを訴えることにしました。そこに見えてきたのは、週休3日制導入の潮流とそのハードル、コロナ禍以降のリモートワークのメリットとデメリット、この国の「余暇」の文化の意外な弱点……。たくさんの課題を乗り越えて、「水曜日は働かない」世界の実現を模索します。

[マニフェスト]「水曜日は働かない」という提案|宇野常寛
[鼎談]「水曜日は働かない」という提案をめぐって|芦埜佑亮×高坂友理恵×辻音里


[コラム]「水曜日を働かない」ための働き方改革|坂本崇博

[特別鼎談]「劇映画的な身体」をめぐって──『ドライブ・マイ・カー』から考える|宇野常寛×佐渡島庸平×濱口竜介

「宇野さん、濱口と話してみない?」──佐渡島庸平の一通のメールから、この鼎談は生まれました。いま、世界に大きな衝撃を与えようとしている映画『ドライブ・マイ・カー』を素材に、現代の情報環境と劇映画の射程距離、言葉と身体、村上春樹と女性表象、ショットの内と外、演技の「文体」の問題……。1本の映画から汲み出せる思考を、とことん搾り取った議論です。

[論考]苫野一徳|社会構想のための哲学思考

[エッセイ]吉田尚記|現役アナウンサーがその目で見た #TOKYO2020

[創作]眠い町 作・小川未明/版画・久保田寛子
世界を旅する少年ケーが、どんな人でも眠ってしまうという不思議な町から辿った奇妙な運命とは? 近代日本を代表する児童文学作家・小川未明の物語と、注目のイラストレーター・久保田寛子の連作版画が出会う、時をこえたコラボレーションです。

【連載】

福嶋亮大|世界文学の制作 第二章:指し示すこと、物語ること

丸若裕俊×沖本ゆか もののものがたり #2|自在鉤/唐津焼の器

おいしいものにはわけがある #2|「ジャンボ」のお好み焼きと焼きそば

絵本のはなしはながくなる #2|近藤那央さんの選ぶ、不思議ないきものたちに出会える絵本

ひとりあそびの(おとなの)教科書 #2|東映レトロソフビコレクション──石ノ森章太郎と戦後サブカルチャー的身体

[フォトエッセイ]走るひとたち|上田唯人、高山都、宇野常寛

書誌情報

『モノノメ #2』
ページ数 296P
判型 B5変型版
発行 PLANETS/第二次惑星開発委員会
ISBN 978-4-905325-20-8

問い合わせ先

本誌に関する取材やイベントのご相談など、お問い合わせはこちらのアドレスへメールをお送りくださいますようお願いします。

クラウドファンディングCAMPFIREを通じて刊行をご支援いただいた皆さま(敬称略・順不同)

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弊誌のミスにより、上記のうち、本誌にお名前の掲載が漏れてしまった方がいらっしゃいます。 深くお詫び申し上げますとともに、再発防止のため、フローの変更を行い、刊行までの編集部による確認事項を徹底いたします。 このたびは、誠に申し訳ございませんでした。