母と娘の物語 第十章 令和の少女漫画は母の車から出られるか?──『逃げるは恥だが役に立つ』『違国日記』『凪のお暇』|三宅香帆
書評家の三宅香帆さんによる連載「母と娘の物語」。2010年代以降の〈娘〉の成熟像とはどのようなものか。『逃げ恥』『違国日記』『凪のお暇』といったコンテンポラリーなフィクション作品を手掛かりに、その困難さを分析します。
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書評家の三宅香帆さんによる、国内のさまざまなフィクションで幾度も反復して描かれてきた「母」と「娘」の物語に潜む本質を読み解く連載です。
書評家の三宅香帆さんによる連載「母と娘の物語」。2010年代以降の〈娘〉の成熟像とはどのようなものか。『逃げ恥』『違国日記』『凪のお暇』といったコンテンポラリーなフィクション作品を手掛かりに、その困難さを分析します。
書評家・三宅香帆さんの連載「母と娘の物語」。
国内フィクション作品において「母」と「娘」の物語は幾度も反復して描かれてきたにもかかわらず、その物語に潜む本質を読み解こうとする行為は僅かでした。既存の「母娘問題」の議論をひもときつつ、これまで多くの物語で象徴的に論じられてきた「父殺し」との対比を通じて、「なぜ『母殺し』は難しいのか?」という問いを投げかけます。