保護中: 小山虎 | カントからチューリング・マシンへ〜コンピューターの芽を育んだドイツの哲学と数学
分析哲学研究者・小山虎さんによる、現代のコンピューター・サイエンスの思想史的ルーツを辿る連載の第3回。
解読不可能といわれたナチスの暗号「エニグマ」を解読に挑んだイギリスの数学者アラン・チューリングが考案した理論的モデル「チューリング・マシン」。現代のコンピューターの原理を先取りしたその発想のルーツには、ドイツでの哲学と数学の潮流がありました。
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フォン・ノイマン、ゲーデル、それにタルスキ。20世紀科学革命の牽引役となり、現代のコンピューターサイエンスの礎を築いた彼らの知の背景には、中欧オーストリアで育まれた科学と哲学の伝統がありました。分析哲学研究者・小山虎さんが、新大陸アメリカで開花した情報技術の知られざる出自を探ります。
分析哲学研究者・小山虎さんによる、現代のコンピューター・サイエンスの思想史的ルーツを辿る連載の第3回。
解読不可能といわれたナチスの暗号「エニグマ」を解読に挑んだイギリスの数学者アラン・チューリングが考案した理論的モデル「チューリング・マシン」。現代のコンピューターの原理を先取りしたその発想のルーツには、ドイツでの哲学と数学の潮流がありました。
「フランス哲学」「東洋哲学」と、国や地域の名前を冠した分類がある中で、「オーストリア哲学」もそのひとつ。現在は中欧の一小国ながら、かつての神聖ローマ帝国の後裔として、哲学や論理学の歴史上でも重要な位置を占めています。なぜ、オーストリアがそのような地位を得るに至ったのでしょうか。
19世紀のドイツ統一運動以降の中欧諸邦の大学制度と学派形成の流れを遡りながら、フォン・ノイマン、ゲーデル、タルスキの3人に通底する「オーストリア的」な思想のルーツを探ります。
インターネットや人工知能など、現代社会の根幹を担っている情報テクノロジー。その基盤となるコンピューター・サイエンスは、なぜ20世紀のアメリカで花開き、世界を一変させるに至ったのでしょうか。分析哲学研究者の小山虎さんが、さらにその背後にある中欧での科学と哲学の結びつきを辿りながら、これまであまり知られていなかった思想史的なドラマをひもときます。物語はまず、1946年9月に撮影された1枚の写真から、はじまります。