GQ | #05「官僚」──情報弱者化する霞が関
菅政権の発足で、総理交代という久々の一大イベントに見舞われている霞が関。そんな中で、かつて「最大最強のシンクタンク」であったはずの日本の官僚機構が構造的に「情弱」化し、深刻な危機に陥りつつあると、現役官僚の橘宏樹さんは憂慮します。官僚が本来のパフォーマンスを発揮するためには何が必要か、「中の人」ならではのリアリティから検証します。
テレビや新聞、ネットニュースなどの政治報道がほとんど取り上げないけれど、私たちの生活にとって重要な意味をもつ政策は、たくさんあります。そうした多彩なアジェンダの中から、霞ヶ関で現役官僚をしている橘宏樹さんが「官報」や閣議決定などを精査し、いま日本国政府がどんな行政課題を遂行しているのかを、毎回テーマに沿って検証していきます。
菅政権の発足で、総理交代という久々の一大イベントに見舞われている霞が関。そんな中で、かつて「最大最強のシンクタンク」であったはずの日本の官僚機構が構造的に「情弱」化し、深刻な危機に陥りつつあると、現役官僚の橘宏樹さんは憂慮します。官僚が本来のパフォーマンスを発揮するためには何が必要か、「中の人」ならではのリアリティから検証します。
この夏、内閣の経済・財政の最も根本的な運営の軸を定める「骨太の方針2020」が閣議決定されました。「新しい日常」のための徹底した行政のデジタル化を目玉に掲げつつ、決定直前に駆け込むように盛り込まれたのが、「中央銀行デジタル通貨」をめぐる2行の文言でした。これからの日本の行く末に関わるかもしれないその意味を、現役官僚・橘宏樹さんが読み解きます。
国が国である以上、外すことのできない最も基幹的な公機能のひとつ「教育」。しかし社会に適合する標準的な「国民」を再生産すればよかった時代はとうに去り、いまの教育に求められているのは、「いかに個々の資質や状況に応じた多様性を尊重しつつ、社会を変えうる個人を育むか」の標準化です。この矛盾に満ちたミッションを、現役官僚・橘宏樹さんがチェックします。
出口の見えないコロナ禍の下で、生活者があらためて目を向けておかなければならない国家的な課題とは何か。今回、現役官僚の橘宏樹さんの目に留まったのは、近年、深刻な危機を迎えている「流通」です。物流を支えるトラック運転手の人手不足への対応やブラックな業界慣行の改革など、効率化と労働者保護に向けた各省庁の取り組みを吟味します。
この国の未来のために「ほんとうに大事なこと」は、どのように決められているのでしょうか。Government Curation略して「GQ」では、現役官僚の橘宏樹さんが、メディアが報じない重要政策の動向を、折々の「官報」などから読み解きます。今回のテーマは「スーパーシティ」。人工知能やビッグデータの活用で世界最先端の未来都市の実現を目指すというこの特区構想のなりたちを検証しつつ、どんな勝算や課題があるのかを考えます。