6年前に出版した東京オリンピックの「対案」を無料公開します──『PLANETS vol.9 オルタナティブ・オリンピック・プロジェクト』特別公開(期間限定)
2015年1月、PLANETSは「もう一つの東京オリンピック」を提案する一冊の本を出版しました。アスリート、アーティスト、建築家、社会学者、etc……当時の僕たちのすべての力を注ぎ込んでつくられた、夢の企画書。当時から6年が経った今、「オルタナティブ・オリンピック・プロジェクト」の主要部を期間限定で無料公開します。
思わぬ災厄で、ついに吹き飛んでしまった2020年の東京五輪。けれどもPLANETSでは、「自分たちだったらこう考える」というオルタナティブなオリンピック/パラリンピックのビジョンを徹底的に議論して、2015年に一冊の本にまとめています。これからの進む先を見失わないためにも、今だからこそ読み直してほしい当時の提言(の一部)を、改めて一挙公開します。
※本企画は『PLANETS vol.9 東京2020 オルタナティブ・オリンピック・プロジェクト』(PLANETS 2015年)の収録記事を再掲したものです。
2015年1月、PLANETSは「もう一つの東京オリンピック」を提案する一冊の本を出版しました。アスリート、アーティスト、建築家、社会学者、etc……当時の僕たちのすべての力を注ぎ込んでつくられた、夢の企画書。当時から6年が経った今、「オルタナティブ・オリンピック・プロジェクト」の主要部を期間限定で無料公開します。
決定当初からビジョンなき国家プロジェクトだった2020年の東京オリンピック。ならば、僕らが声をあげ、少しでもましな像を提示しよう──。5年前、そう考えた僕たちは『PLANETS vol.9 オルタナティブ・オリンピック・プロジェクト』を刊行しました。その開催が幻となりつつある今、改めてその再考を問う特別企画を、7夜連続でお届けします。まずは、乙武洋匡さん、猪子寿之さんと語った全体コンセプトをめぐる鼎談です。
特別企画「オルタナティブ・オリンピック/パラリンピック・プロジェクト再考」、2日目の更新は、建築家の白井宏昌さんによる、オリンピックの歴史をひもとく寄稿です。僕らが迎えようとしているオリンピックは、いつから始まり、どう拡がっていったものなのか。改めて振り返ることで、オリンピック開催の意味をぜひ再考してみてください。
オリンピックが「失われた未来」へのノスタルジーではなく、将来を担う世代に本気でワクワクできる体験を送り届けるためには、どんな祭典であるべきでしょうか? 今回は、猪子寿之さん率いるウルトラテクノロジスト集団・チームラボに依頼したオリンピックの演出案をお届けします。実現していたら、どんな「未来」が見えたのか、一緒に想像してみてください。
オリンピックは4年に1度、アスリートたちの晴れ舞台。ですが、この鼎談は「でも、それって見る側からしてみればそもそも他人事じゃない?」という、身も蓋もない問いから始まります。2020年の東京オリンピックをきっかけに、むしろ「スポーツ」というものそれ自体のアップデートを構想する、3名のゲームデザイナーによる未来への提言です。
治療の一環、あるいは社会復帰のための活動から、回を重ねながら「競技スポーツ」として発展を遂げてきたパラリンピック。近年は義肢装具の飛躍的な進歩によって、パラリンピックのあり方そのものが変わろうとしています。今回は、そんなパラリンピックの歴史をひもときつつ、多様な身体をめぐる社会のあり方を考える寄稿です。書き手は障害者スポーツにも詳しい作家の浅生鴨さんです。
近年は、義肢装具などのテクノロジーの発展で、障害者スポーツの選手が健常の選手と互角に競い合うことが可能になり始めています。しかし、義足、義手の選手が金メダルを獲る日が来たとき、社会はそれを「フェアな競技の結果」として素直に認められるのでしょうか? ゲーム研究者の井上明人さんが、ルール設計の観点から多様な身体の持ち主が競い合える「拡張パラリンピック」を提案します。
「オルタナティブ・オリンピック/パラリンピック・プロジェクト再考」最終回は、井上明人さんの「拡張パラリンピック計画」(5/5更新記事)の提言に下敷きにした、新たな社会観・人間観をめぐる座談会です。誰もが多様な身体を持ちながら参加できる競争を実現することは、オリンピック/パラリンピックだけでなく、その先の未来の社会を考えることにもつながります。この記事を読んで、ぜひじっくり考えてみてください。