

「小山虎」さんについて取り上げた
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分析哲学研究者・小山虎さんによる、現代のコンピューター・サイエンスの思想史的ルーツを辿る連載の第4回。
19世紀末から科学と哲学を大きく変えつつあったオーストリア的な知。今回はその国内で「ウィーン学団」を打ち立てたオットー・ノイラート、ハンス・ハーン、フィリップ・フランクの3人のオーストリア人科学者にスポットを当てます。科学哲学という分野の勃興に結実し、20世紀科学革命とも共振する彼らの交歓。しかしその夢と友情は、2度の世界大戦の荒波に翻弄されていくこととなります。
分析哲学研究者・小山虎さんによる、現代のコンピューター・サイエンスの思想史的ルーツを辿る連載の第3回。
解読不可能といわれたナチスの暗号「エニグマ」を解読に挑んだイギリスの数学者アラン・チューリングが考案した理論的モデル「チューリング・マシン」。現代のコンピューターの原理を先取りしたその発想のルーツには、ドイツでの哲学と数学の潮流がありました。
「フランス哲学」「東洋哲学」と、国や地域の名前を冠した分類がある中で、「オーストリア哲学」もそのひとつ。現在は中欧の一小国ながら、かつての神聖ローマ帝国の後裔として、哲学や論理学の歴史上でも重要な位置を占めています。なぜ、オーストリアがそのような地位を得るに至ったのでしょうか。
19世紀のドイツ統一運動以降の中欧諸邦の大学制度と学派形成の流れを遡りながら、フォン・ノイマン、ゲーデル、タルスキの3人に通底する「オーストリア的」な思想のルーツを探ります。
インターネットや人工知能など、現代社会の根幹を担っている情報テクノロジー。その基盤となるコンピューター・サイエンスは、なぜ20世紀のアメリカで花開き、世界を一変させるに至ったのでしょうか。分析哲学研究者の小山虎さんが、さらにその背後にある中欧での科学と哲学の結びつきを辿りながら、これまであまり知られていなかった思想史的なドラマをひもときます。物語はまず、1946年9月に撮影された1枚の写真から、はじまります。