2020年4月10日、日本を代表する映画監督のひとり、大林宣彦さんが亡くなりました。奇しくもその日は、最新作『海辺の映画館―キネマの玉手箱』が公開されるはずだった日。多くの人がイメージするのは「尾道三部作」だと思いますが、最後の最後まで映画という表現の可能性を追求し続けた果ての、まさに大往生でした。このコロナ禍で、遺作を劇場で観られる日は先延ばしになってしまいましたが、いまこそ日本映画を変えた大林作品の衝撃を、改めて追体験するチャンス。そう考えて、大林監督とゆかり深い映画人である樋口尚文さんに、その足跡と魅力をうかがいました。